なぜ日本人は欧米人より糖尿病になりやすいのか

日本人は欧米人より糖尿病になりやすい

2009年1月10日(土)に国立京都国際会館で行われた 
第12回日本病態栄養学会年次学術集会 ランチョンセミナーに置いて
関西電力病院、院長  清野 裕氏
「日本人はなぜ糖尿病になりやすいのか〜治療戦略を含めて〜」
という公演を行いました。

 

清野氏は糖尿病がにほんを含めアジア全域に急増していることを具体的な年度と患者数を挙げ証明しました。

 

また、日本では糖尿病による腎症が、人工透析患者の中に占める割合が第1位であること、さらには糖尿病網膜症のために失明する患者が年間3500人を上回るほどになっていることを紹介しました。

 

そのうえで、我が国の糖尿病患者の増加は極めて重要な課題であり、早急に対策を取らなければならないと、医療分野の人たちを鼓舞しました。

 

以下清野氏の講演の概要から、本記事のテーマである「日本人は欧米人より糖尿病になりやすい」という事の論旨を自分なりの解釈として書いていきたいと思います。

 

 

日本人はインスリンの分泌が少ない

2型糖尿病の高血糖の原因には「インスリン抵抗性」と「インスリンの分泌不足」の二つあります。
これを人種として比較すると白人の糖尿病患者の大半にに「インスリン抵抗性」が認められるのに対して日本人の糖尿病患者には「インスリン抵抗性」がそれほど強く現れてない場合も多いのです。
また、日本人のインスリンの分泌能力は白人の1/2であることが分かっています。
インスリンの分泌能力が大きいということはインスリンは脂肪細胞が余剰な糖から脂肪合成することを促進するので白人は極度の肥満に陥りやすいことになります。
一方、日本人はインスリンの分泌が少ないため脂肪細胞の余剰な糖からの脂肪合成が促進されず血液中に余剰な糖が残ってしまいます。
そのため、日本人はやせ型の糖尿病患者が結構いるのです。
もちろん肥満型の糖尿病も存在するのですが。
ではその違いはなぜできたのでしょうか?

何千年にもわたる食文化の違いが体質の違いを生んだ

いわゆる狩猟民族と農耕民族の差ということでしょう。
日常的に肉類や乳製品など他脂肪の食品を食べ続けてきた白人は多量に摂取する脂肪に対応するためにインスリンの分泌能力が進化してきたのでしょう。
また、穀物中心の食生活を続けてきた日本人は多量のインスリンを必要とせずインスリンの分泌能力もそれなりの能力に落ち着いたとみられます。
また、これはあくまで筆者個人の考えですが。農耕民族の主食、穀物は貯蔵できます。つまり飢餓になることが少なかったと思われます。しかし、狩猟民族は自転車操業で獲物を取り続けなければ飢餓に襲われます。ですから脂肪を蓄える能力つまりインスリンの分泌能力が極度に発達したと考えます。

日本の糖尿病患者の60%は非メタボリック症候群

日本人の2型糖尿病患者の60%はメタボリック症候群ではないことから、体形だけで糖尿病のリスクは判断できません。また、心血管疾患はメタボリック症候群よりも糖尿病の方がリスクが大きいので血糖値のコントロールが内臓脂肪のコントロールより優先度が高いと言えます。

日本人向けの血糖値管理の指針の確立が急務

清野氏の講演は2009年、つまり10年前のものであるため最後の締めが現在でも当てはまるかどうかは私には判断できませんが、氏の最も言いたかった講演の趣旨をまとめます。
欧米では、米国糖尿病学会と欧州糖尿病学会の合意のもと「2型糖尿病血糖管理における治療の開始と調整におけるアルゴリズムコンセンサス」を発表しました。
このコンセンサスでは2型糖尿病患者の血糖値管理の手順が初期治療から投薬に至るまで事細かく提示されています。
これはあくまで欧米の2型糖尿病患者への対応であって、この公園の趣旨である日本人と欧米人の糖尿病に関する様々な違いに照らし合わせて日本には日本人の2型糖尿病患者に対する血糖値管理の指針が必要である。
一刻も早い日本人向けの血糖値管理の指針の確立を提示しなければならない。
この講演のレポートを読んで私は清野氏がそう啓発しているように思いました。

 

参照レポート提供: サノフィ・アベンティス株式会社


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