すい臓がんの症状の一つに糖尿病が挙げられれる。
糖尿病の要因の最も大きなものがインスリンですが、インスリンは膵臓で作られます。
すい臓がんで膵臓の機能が落ちてくると当然インスリンの分泌に影響があることは容易に想像がつきます。
また、すい臓がんは糖尿病原因であるインスリン抵抗性を生じさせるといわれています。
そのうえ、すい臓がんはインスリン抵抗性に対するインスリン分泌促進を妨げるように作用するのです。
膵臓がんはがんの中で最も5年生存率が低いがんです。
それは、自覚症状がほとんどないうえに症状が出たときにはすでにステージが末期になっていることが多いからだといわれています。
糖尿病をすい臓がん検査のきっかけにする
ですから唯一他覚的な症状と言える高血糖はすい臓がん検査のきっかけにすることで想像がんの早期発見が可能であると考えられます。
特に50代で糖尿病を発症した方は糖尿病と診断されてから3年以内にすい臓がんと診断される可能性が100人に一人程度つまり1%の確率で見受けられるそうです。
また長年(5年以上)糖尿病を患っている方はすい臓がんになる確率が健常者の1.5倍~2倍あるといわれています。
また、危険因子としては喫煙、飲酒、慢性膵炎(膵臓の炎症)、肥満、膵臓がんの家族歴などがあり高血糖を指摘され左のような因子を持っているならぜひすい臓がんの検査を受けてみましょう。
そして糖尿病の診断を受けている人は定期的に検査を受け喫煙、飲酒などの危険因子をできるだけ排除するように心がけてください。
単なるⅡ型糖尿病と膵臓がんが原因の糖尿病とは違いがある。
すい臓がんによて引き起こされる糖尿病糖尿病生活習慣病で発症する単なるⅡ型糖尿病とは全く異なるものだといわれています。
単なるⅡ型糖尿病は膵臓に異常がなくてもいろいろな要因で発症しますが膵臓の病変に引き起こされる糖尿病は「3c型糖尿病」と呼ばれます。
そして両社の症状の違いにも傾向が認められます。
生活習慣病としてのⅡ型糖尿病は体重の増加が多くの患者に認められます。
それに対し「3c型糖尿病」では逆に体重の減少が認められる患者が多くみられるのです。
糖尿病の診断を受けて体重減少をする方はすい臓がんの検診のきっかけになるでしょう。
早期発見が命を救う
糖尿病の体重減少と膵臓がんを診察でなかなか結び付けるドクターが少ないと聞きます。
つまり糖尿病が多い日本では見落としがちな症状なのです。
すい臓がんの5年生存率が低いのはすい臓がんと診断されたときにはステージが終盤に差し掛かっていることが多いためです。
たとえすい臓がんであっても早期発見できれば生存率は飛躍的に伸びることでしょう。
奇しくもこの記事を書いている二日前に線虫の遺伝子を操作してすい臓がんの発見に成功したとのニュースをテレビで見ました。
患者の尿1滴ですい臓がんを見つけることができるというもので陽性的中率が84.5%です。
また、陰性的中率はなんと100%ですのでこの検査で陰性となれば疑いなく、すい臓がんではないということになります。
来年には実用化されるようです。
気になる費用ですが、1回 12500円です。
おそらくPET検査と同じく健康診断扱いなら全額患者負担。
もし結果、陽性なら保険適用になると思われます。
この検査が普及した暁にはすい臓がんの5年生存率6%が前立腺がん並みに上がることになるかもしれません。
糖尿病、患者さんには何よりの朗報と言えるのではないでしょうか。