医師の人間性がU型糖尿病の合併症での死亡率を左右する

担当医師の人間性が糖尿病の死亡率を左右する

家庭医学の年報ジャーナルに気にかかる記事が掲載されていました。
原題では
「U型糖尿病患者におけるプライマリケア開業医の共感と心血管イベントのリスクおよび全死因死亡率との関連性」という少し難しいものです。
プライマリケアとは患者さんの訴えのほとんどに親身になって対処し患者さんと一体になって病気に取り組むことができ。患者さんはもとより家族、地域にに対して責任をもって診療することができる診療医による信頼と安心のある医療の事です。
また心血管イベントとは心筋梗塞、血行再建、非外傷性切断、脳卒中、その他複合的なものの事です。

これはイギリスで行われた研究です。

 

イギリスの49か所の医療施設でU型糖尿病の診断が下った患者682人を対象に診断後12か月間の治療後
医師との相談や関係性の親密さ、共感性などをアンケートしました。
そしてそのアンケートの結果を評価してそれぞれにスコアを付けました。

 

その後プライマリケアでの集中治療を追跡調査した結果
120人(19%)が心血管疾患を経験し、
132人が追跡調査中に死亡しました。
その結果をスコアに照らし合わせるとスコアの高い患者(医師との共感度の高い患者ほど死亡リスクが低くなることがわかりました。

 

医師との共感度が高い患者はそうでない患者に比べて死亡率が40〜50%低くなったのです。

 

我々が病院にかかる時、やはりいい先生にかかりたいと思います。
それは決して医療技術やテクニックの高い先生ということではありません。
街でも人気のある先生は患者が口をそろえて「やさしい」、「丁寧」という形容詞を付けます。
医療技術の高低ややテクニックは患者にはわかりませんから。

 

 

しかし優しいというのと、共感とはまた別物だと思います。
優しさは他覚でもあり共感は自覚であるため
優しさは時に偽善も疑われます。
共感は逆に他覚的でないため時に見過ごされがちです。

 

しかし、初診なら優しさで十分ですが、糖尿病のように年単位、ともすれば一生お付き合いしなければなりません。
長くお付き合いするということは表面のやさしさは見破られてしまいます。
だから、この研究は成り立っているのだと思います。

本当に共感できる医師は人間性が優れており正義感もあることでしょう。
記事では結論として「U型糖尿病の開業医の患者に対するの共感と患者の共感に対す認識が長期的な治療に対して有益な結果を生み出す。」
とのことです。

 

また、患者に対する共感が可能な医師は人間性にも優れていて、たとえば利益優先の治療やおざなりな変化のない治療に陥ることもなく絶えず患者の状態を気にかけているため投薬、や運動指導など適切な処方ができるのだと思います。

 

一方、患者からしても、医師の共感が認識できれば治療に対するモチベーションも上がり運動療法や食事療法への取り組みも
積極的になるのではないでしょうか。

 

その結果として医師の共感が糖尿病の心血管障害のリスクや脂肪率の低下を示しているのだと思われます。

 

しかし、医師の事ばかりでは不公平です。
患者サイドにも問題はあります。

いくら、医師が共感を示してもそれを認識できない患者。
そもそも共感に値しない人間性の患者。
すべてのことに不満を持っている患者

医師も患者も人間です。一方だけに高潔な人間性を求めるのは不公平です。
医師は共感
患者は感謝
そういった関係性が築ければ糖尿病も怖い病気ではなくなります。

 

記事では最後に「開業医の患者への共感度の高さは糖尿病に限らず他の病気にも大いに関係があるようだから今後の研究に期待したい」と締めていました

 

糖尿病患者の人は良い患者になることが合併症による死亡リスクを下げる一因になるもしれませんね。


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