糖尿病のセルフチェックと予防
糖尿病自体は合併症がでるまではほとんどこれといった症状がありません。
病院の定期健診を受ける習慣のない人は、合併症が出てはじめて糖尿病が発見されることも多いのです。
糖尿病の最大の怖さは合併症です。
合併症は身体の自由を奪われることがあります。
または死に至ることさえもあります。
しかし、徴候はあるのです。
生活習慣とか環境から糖尿病にかかりやすかどうかがわかります。
健康診断を受けない人は下のセルフチェックをして受診のきっかけにしてください。
40歳以上で急増する糖尿病
私たちが生きるために食事をし、それにより体内に取り入れた糖質はブドウ糖になって血液中に吸収されエネルギーの源となります。
ブドウ糖からエネルギーにを作り出すために必要なのがインスリンなのです。
インスリンとは血糖を調整するホルモンです。そのホルモンが不足したり、作用が悪くなったりすると血液中にエネルギーに変換できないままのブドウ糖がだぶついてきます。
これが高血糖です。
血液の高血糖の状態が続くと糖は尿から排泄されるようになります。つまり尿からブドウ糖が検出されます。これが糖尿病の語源です。
糖尿病には大きく分けて2つのタイプがあります。
インスリン自体が枯渇してほとんど分泌されなくなる1型と絶対量が少なくなり不足したり分泌されてもインスリンの効き目が悪くなって血糖値が上がる2型です。
2型は原因が生活習慣による事が多く、日本では2型が大半を占めます。それゆえ日本では糖尿病といえば生活習慣病のひとつと位置づけられるのです。
日本では40歳までの人で糖尿病もしくは糖尿病の可能性のある人は7%未満で、男女比もほとんど同じです。
しかし40歳才を超えると急激にその割合は増えて、40歳代では男約18%女約13%となります。
50代になると男29%女27%となり60才以上になると男性でほぼ40%女性では34%となり、40歳以上でくくると男性の3人に一人、女性では4人に一人が糖尿病もしくは糖尿病の可能性があるのです。
糖尿病の大きな問題は、それ自体症状がほとんどないことです。
そのために健康診断等で糖尿病の可能性を指摘されながら病院で受診することなく放置したりさらには病院で糖尿病の診断を受けたにもかかわらずそれっきり治療を受けることもなく同じ生活を続けている人がけっこう多いのです。
実際、医師から糖尿病と診断されたにもかかわらず、現在治療を受けていない人は約半数で糖尿病患者の3分の一以上の人がほとんど治療を受けたことがないのが現状なのです。
もちろんその中には独学で生活習慣を改め自力で糖尿病を克服しようと努力している人もいることでしょう。しかし大半は症状の無さ故に放置しているのが現状だと思われます。
その結果どうなるのでしょうか。
糖尿病はそれ自体症状はほとんどありません。
ですが高血糖は確実に体のライフラインを不可逆的に蝕んでいくのです。
ですから逆に言えば症状が出たときにはすでに遅いといっても過言ではありません。
糖尿病の最大の怖さは合併症です。言わずと知れた糖尿病の三大合併症、目、腎臓、足です。目は糖尿病性網膜症で失明に至ることもあります、腎臓は糖尿病性腎症で最終的には尿毒症になり人工透析が必要になります。足は神経障害、血管障害の結果、足が壊疽を起こし切断を余儀なくされることがあります。また血管障害は脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしやすくなります。
糖尿病の怖さは十分に分かっていただいたと思いますが。
さてそれでは予防するにはどうしたらいいのでしょうか。
まずは自分の糖尿病になりやすいのかどうかを知ることが最初です。
以下のチエックリストで自己採点してみてください。
血縁者に糖尿病の人がいる(3点)
血縁者に肥満、脳卒中、心臓病(心筋梗塞、狭心症)の人がいる(1点)
20代前半より体重が10%以上増えている(2点)
甘いものや、脂っこいものが好きだ(1点)
車によく乗る生活で運動不足だ(1点)
アルコールをよく飲む(1点)
ストレスが多い生活をしている(1点)
合計点が6点以上の人は要注意です。検査を受けましょう。
3~5点の人もリスクはあります、生活習慣を改善しましょう。
自分のリスクを踏まえたうえで、糖尿病を予防しましょう。
糖尿病予防の基本は規則正しくバランスのいい食生活と運動の習慣、そしてストレスを感じない生活です。
食事は繊維質の多い食材を多用し、炭水化物は少なく。ビタミンミネラルもバランスよくとりましょう。
たんぱく質も必要ですが脂肪分は控えめにしてください。
詳しい予防法は他ページで解説しています。
日本生命小冊子より