オリゴ糖の使用目的には2つある
1、血糖値の上昇を緩やかにするために使う
糖尿病患者さんの中にはしばしばオリゴ糖を血糖値を上げない甘味料として使う方がおられると思います。
確かにオリゴ糖は胃や小腸で分解されにくく吸収もされにくいので血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。
2、整腸作用のために使う
また、オリゴ糖は大腸でビフィズス菌のえさとなり分解されるためビフィズス菌を増やす事になり腸内環境を健全に保つ作用もあります。
ですから、便秘に悩む方が整腸作用のために積極的にオリゴ糖を使用されることも大いにあります。
オリゴ糖は必ず成分表を見てから買う
用途が違うため商品も二つに分かれています。
1、オリゴ糖を含む甘味料
2、ほぼオリゴ糖でできた甘味料
オリゴ糖を含む甘味料はオリゴ糖以外にショ糖や水あめなどが含まれています。たとえば下の商品説明を見てください。
一見てんさいオリゴ糖が100%含まれているような錯覚をしますが、実はてんさいで作られた天然の糖蜜そのものなのです。
てんさいから砂糖を作る時にはてんさい高温度で糖分を抽出し、その後濃縮した液体を結晶化させます。そして結晶を分離します。分離した結晶は上白糖やグラニュー糖へと製品化されます。結晶化した残りの液体は糖蜜と呼ばれ、まだ砂糖成分を含みます。その蜜糖の成分の10%ほどがてんさいオリゴ糖なのです。
つまり、この商品は90%のてんさい砂糖と10%のてんさいオリゴ糖でできているということなのです。
ですからこの商品はオリゴ糖を取りたい人向けの商品であって決して糖尿病の人がつかうべきものではないのです。
糖の種類
ここで糖についておさらいしてみましょう。
まず糖は食に関して分類すると
単糖類、二糖類、多糖類に分類できます。
単糖類 | 二糖類 | 多糖類 |
グルコース(ブドウ糖) | マルトース(麦芽糖) ガラクトース分子×2 |
オリゴ糖(少糖類とも分類される) |
フルクトース(果糖) | ラクトース(乳糖) ガラクトース分子+グルコース分子 |
セルロース、グリコーゲン、でんぷんなど |
ガラクトース(脳糖) | スクロース(ショ糖) グルコース分子+フルクトース分子 |
小腸で吸収されるのは単糖類だけで二糖類は二糖類分解酵素によって単糖類に分解され吸収されます。オリゴ糖は分解されることなく大腸にまで送られビフィズス菌などの乳酸菌によって分解されます。
したがって、小腸で吸収されないのはオリゴ糖だけということになります。
ですから高血糖の方がオリゴ糖製品を買う場合はオリゴ糖の含有量を確かめる必要があります。
安価なオリゴ糖製品はオリゴ糖の含有量が少ない。
いろいろな商品を調べてみましたが成分表示の例を見てみましょう。
その1
ちょっと画像が悪いですがこれは量販店で300円程度(税込み)で買ったイソマルトオリゴ糖です。
イソマルトオリゴ糖とはデンプンを原料とし、酵素を作用させて生産します。他のオリゴ糖に比べて若干消化されやすく少量ながら小腸での吸収がありますがビフィズス菌に特化した増殖因子であることが分かっています。
しかし表示を見るとオリゴ糖の含有量は55%とあり、その他はおそらくは単糖類ではないかと思われます。明らかに腸内環境改善を目的とした製品です。糖尿病の方は使わない方が無難です。
100g当たりのカロリーも300?と多いです。ちなみに1000gペットボトルです。
その2
これも、腸内環境改善用のオリゴ糖のようです。100g当たり7.6g~12gのオリゴ糖でやはりカロリーも295?と300近くあります。ちなみにアマゾンで1000gで810円です。
その3
イソマルトオリゴ糖はデンプンから作られるので比較的原材料が安くつくのかもしれません。
これも1000gで400円ほどです。エネルギーはやはり高めですね。腸内環境用です。
その4
これは、糖尿病患者も使えそうです。オリゴ糖98%、ショ糖2%とオリゴ糖以外の糖分表記しているのは血糖値を意識した商品であることの証拠です。粉末ですがアマゾンで500g 1950円と、ちょpっぴりお高めになっています。ラフノースとはてんさいオリゴ糖の事です。
オリゴ糖と表示されていれば血糖値の上昇を抑えられると思っていたら大間違いです。
糖尿病患者が気を遣わず使える甘味料としてはオリゴ糖100%が理想です。
アマゾンで探せば100%てんさいオリゴ糖も存在します。しかし、やはりある程度の金額は覚悟しなければなりません。コーヒーにグラニュー糖を使う感覚で使っても血糖値に気を使わなくていい甘味料であり、しかも腸内環境も整えられる。そんなものがあれば少々の出費などは仕方のないことですね。